赤松農相が発表した口蹄疫対策の要旨は次の通り。
- 感染が確認された10キロ圏内のすべての牛と豚は、ワクチンを接種した上で殺処分。
- 10~20キロ圏内を緩衝地帯と位置付け、牛、豚の早期出荷を促す。農家の損失は国が負担。
- 感染数が少ない宮崎県えびの市と、隣接する熊本県、鹿児島県は当面、殺処分や早期出荷の対象にしない。
- 今後3週間、新たな感染が確認されなければ、口蹄疫終結と判断。
- ワクチンを接種して殺処分した牛1頭につき約60万円、豚1頭につき約3万5千円の奨励金を農家に支給。
- これまでに殺処分を実施した農家すべてに、牛や豚の評価額の5分の1を見舞金として支給。5分の4は家畜伝染病予防法に沿って手当金として支払う。
- 農家への手当金のうち、宮崎県の負担分は、政府が特別交付税として補てんする。
- 殺処分に伴う手当金の申請を簡素化。
- 新たに発表した全頭殺処分や早期出荷などの対策に必要な予算は300億~400億円を想定。
- 獣医師50人、自衛官170人を追加派遣。これまでの派遣人員との合計は獣医師が約190人、自衛官340人。九州管区の警察官160人も宮崎県に新たに送る。
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/kouteieki/20100519bouekitaisaku.pdf
新たな防疫対策について
平成22 年5 月19 日
口蹄疫対策本部決定
政府は、口蹄疫の発生は、危機管理上重大な課題であるとの認識の下、宮崎県において発生し、拡大しつつある口蹄疫についての対策を更に強化し、総力を挙げて取り組むため、先日決定した基本的対処方針に加え、別添のとおり次の防疫措置を講ずることを決定する。
一.10 ㎞圏内、すなわち移動制限区域内のすべての牛・豚を対象に、殺処分を前提としたワクチン接種を実施し、接種した家畜に係る経営支援を実施する。更にあわせて、10 ㎞~20 ㎞圏内、すなわち搬出制限区域内からは、製品化した上で出荷する作業を進め、これに伴う価値の低減分について支援を行う。また、一般車両の消毒を行う消毒ポイントを増加する。
二.患畜の殺処分に当たっての手当金の交付の迅速化のため、標準評価額を用いた概算払いを実施するとともに、殺処分の評価額と手当金の差額を宮崎県が負担した場合に特別交付税を措置する。
三.埋却地の円滑な確保、必要な人員の増員を速やかに行う。
(別添)
口蹄疫に対する防疫対応等について
1.新たな防疫対策
(1)移動制限区域内のワクチン接種による感染拡大防止対策10km圏内のすべての牛・豚を対象として、殺処分を前提としたワクチン接種を行い、接種した家畜については早期殺処分のための殺処分奨励金、経営再開支援金を交付する。
(2)搬出制限区域からの早期出荷促進対策
10-20km圏内について緩衝地帯とするため、早期出荷を行い、一定期間内の家畜の導入を粛する場合、早期出荷による価値の低減分、経営再開支援金を交付する。
(注:えびの市地域は別途対応)
2.患畜等手当金の支払い
(1)手当金(評価額の4/5)の交付の迅速化
① 宮崎県が手当金申請のための疑似患畜評価ができない状況にあることから、標準評価額を用いた概算払い(申請書提出後直ちに)を行う。
② その後、精算払い(評価額確定後)。
(2)評価額の全額交付
殺処分家畜の評価額と手当金の差額(1/5)について、宮崎県が負担した場合、総務省において全額特別交付税を措置。
3.埋却地の確保
県有地を利用する等、円滑な確保に努める。
4.人員の増員
① 防疫措置を行う獣医師の増員(約50名増員)
② 徹底した消毒を行うための県警(九州管区内)を含む増員
③ 埋却を促進するための自衛隊派遣要員の増員
④ 畜産農家等、経験者の雇い上
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/kouteieki/20100519housin.pdf
基本的対処方針
平成22 年5 月19 日
口蹄疫対策本部決定
政府は、口蹄疫の発生は、危機管理上重大な課題であるとの認識の下、宮崎県において発生し、拡大しつつある口蹄疫についての対策を更に強化し、総力を挙げて取り組むため、次の措置を講ずることを決定する。
一.口蹄疫のさらなる拡大を防止するため、移動制限や殺処分などの防疫措置について、徹底・充実させる。
特に、拡大防止に当たっては、消毒が最も重要であるという認識の下、消毒ポイントの増設や消毒の徹底を図るとともに、このための自衛隊の派遣・増員を可及的速やかに実施する。
二.今回の発生地域は、畜産への依存度が極めて高い地域であることを踏まえ、発生農家や移動制限の影響を受ける農家の生活支援、経営再建・維持のための対策に万全を期することとし、その内容は、農林水産大臣が別途定める。
三.地元自治体において徹底した対策を講ずることができるよう、地元自治体が負担することとなった経費について、特別交付税を措置するほか、国からの支払金等の支出の迅速化を図る。
四.農林水産副大臣を本部長とする現地対策本部を設置する。総理補佐官及び各省担当責任者が常駐し、地元の要望等を十分受け止めて国との連絡調整を迅速・的確に行う。
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